今回は2023年にプレステにて発売されたホラーゲーム『POMBERO:The lord of the night』についてレビューしていきます。
事前の期待も高かったこともあり少し消化不良なのは否めませんが、個人的にはゲームの内容そのものにも問題はあると思うのでその辺も踏まえて正直レビューします。
【ゲーム実況】フッテージスタイルガチ系ホラー『THE LORD OF THE NIGHT:POMBERO』母の死に隠された秘密を探る初見プレイ
そもそも『POMBERO』とは?
タイトルになっている『POMBERO』についてあまり情報がなかったので調べました。主に米国のWikipediaから要約しています。
読み方は『ポンベロ』。ポンベロはグアラニー神話に登場する小柄な人型の存在で、パラグアイにて発生した伝承と言われています。カライ・ピャハレとも呼ばれ、夜の帝王とも呼ばれています。
彼は農村地域に住み、森に住むことがあり、鳥の鳴き声を模倣する能力を持っていると信じられています。ポンベロは農夫たちのいたずら好きで、家畜を逃がしたり、食料を盗んだりすることがあります。また、女性に触れるだけで妊娠させたり、性交を強制するという伝説も存在します。
彼は贈り物をもらうことで和解し、家と財産を守るとも信じられています。ポンベロはグアラニー文化における広く普及した神話の一部であり、一部の地域では今も彼に対する信仰が根強く残っています。
よくよく調べてみると、伝説上の生き物であり日本で言うところの『都市伝説』的な存在であることがわかりました。そのポンベロが今回の話のキーになっているようです。
物語のあらすじ
ジャーナリストをしている主人公は母親が住んでいたアパートへ向かっていた。母は少し前に亡くなったが、警察の調べでは一人暮らしをしており精神疾患を抱えていたという点から、事件性はないという結論に至ったからだ。
しかし、主人公はそれがどうしても納得できず、母親の死の真相を確かめるべく母が住んでいたアパートへと急いだ。
母が住んでいた部屋には遺産相続に関する弁護士からの手紙や母が常用していた薬、趣味だった写真などが雑然と置かれていた。特に変わった様子はなかったが、部屋の奥へと足を進めると突然ブレーカーが落ちてあたりは闇に包まれる。
そこから、幻覚やポルターガイストに襲われながらも主人公は謎を解き明かすべく手掛かりを探していく。
・・・と、ここまで見るとよくあるホラー系のストーリーに見えますよね?僕も序盤は本当にワクワクしていました。しかし途中から『え?』という展開が待ち受けています。この先は完全にネタバレとなりますので、ご自身の判断で読み進めてください。
POMBERO:The lord of the nightのゲーム内容
まずは母親の住んでいたとされるアパートのエレベーターを出るところからゲームは始まります。よくある一人称視点の操作で辺りを調べて進んでいくという一般的な操作方法です。
アイテムを取得するという概念もあり、ドアの鍵やその他キーアイテムを探して時にはギミックを解きながらストーリーを進めていくことになります。
ゲームは『パート』と『ステージ』に分類されている
このゲームを解説する上では操作性やゲームの進め方で分かれる『パート』と、物語の進行上の『ステージ』に分別することができます。時間軸で言うと、ステージは大きく3つに分けることができて、『アパート・病院』『屋外』『祖母の屋敷』に分けることができます。また、パートで分けるならば『探索パート』『逃げパート』に分けることができます。
これを最初から最後までで分類すると下記のようになります。
- アパート探索
- 病院探索
- 野外探索
- 野外逃げ
- 祖母の屋敷探索
- 祖母屋敷逃げ
上記の順番でゲームを進めていくこととなります。このゲームで『モヤっとした』ポイントは『逃げパート』にあります。
僕が求めていたのは『探索パート』
前半戦はアパートの探索や突如送り込まれる病院での探索がメインとなり、周辺を調べながらギミックを解いていくという所謂『探索系ホラー』の仕様になっており、『これこれ!』という感じで僕が想定していたゲーム内容でした。
僕が個人的にアクションが苦手というのもありますが、誰もいないところで謎を解いていく、誰もいないはずなのに音がするという雰囲気を味わいたいと言うのが僕の好みだったので、バッチリ合っていました。
ギミック自体もそれほど難しくないので、誰でも楽しめると思いますし、特に苦戦するほどでもないと思います。
後半から様子が変わる
アパートの探索を終えて、病院を探索し野外で探し物をするという状況になったあとある程度探索が終わると突如として逃げゲーとなります。
これがマジでいらなかった。
チェーンソーを持った軍人のような敵に追いかけ回されるのですが、基本的には逃げればいいだけです。でもなかなか相手もしっかり追いかけてくるのでめんどくさいです。
逃げパートが発生する前の段階でまあまあの距離を歩いて探索しアイテムを集めることになるので、ステージの終わりにあの逃げパートが必要だったのか疑問でした。
また、『何故あいつが自分を追いかけてくるのか』と言うことが僕はゲームの物語上理解できず、必然性があまり感じられない部分が多く、無理矢理逃げゲーをやらされている感じがしました。
やっとの思いで祖母の屋敷までたどり着くと、また少しの間探索が続きます。屋敷は広く鍵が掛かっているドアもあるので、ストーリーの断片を集めながら探索していくというパートに移行します。
しかしそれも束の間。やっと謎解きができて全容が見えたところで、またあいつが追いかけてきます。しかも今回は家の中なので、逃げられる場所が決まっています。これがなかなか難しかった。
理不尽とも思える逃げゲーを終えた後は、チェーンソー野郎とガチの殴り合いになります。これも謎だった。しかも強いし。本当にここで何度もゲームオーバーになりました。そしてやっとの思いで倒したら、何故か自分も死んだ。え?どういうこと?
なんか、部屋が火事で燃えているので、すぐに脱出しないと自分も死ぬと言う設定らしいです。その設定いるのかよ。
再度トライしてやっと倒してすぐに部屋から出てそのままエンディング。終了。これだけのゲームです。
良かったところ
探索パートは面白かったし、雰囲気も良かった。以上。
イマイチだなと思ったところ
字幕日本語が不十分
まずこれからプレイする人に気をつけて欲しい1番のポイントは『日本語翻訳がちょっと微妙』というところです。音声は英語固定のため日本語字幕でプレイすると思いますが、かなり微妙な翻訳です。
何となくわかる部分もあるんですが、ストーリーの細かいところはよくわかりませんでした。
文献を読んだりする場面ではちょっと理解に苦しむレベルで翻訳が微妙なので、雰囲気で楽しむ前提でプレイした方がいいと思います。
後半が本当に残念
本来ゲームの後半ともなれば物語の核心に迫ってきて色々な事が明らかになって先の展開が楽しみになるタイミングだと思うんです。
もちろん僕も何とかゲームの展開を噛み砕いてこの先どうなるのか想像しながら楽しもうとしたんですが、それを上回る逃げゲー・・・。必然性が感じられない逃げゲーってあんなに苦痛なのかって思いました。
また、エンディングで主人公の出生の秘密みたいな感じで少しムービーがあるんですが、最後の戦闘の疲れといらいと日本語の翻訳も相まって、結局物語の結末がよくわからないまま気付いたらタイトル画面に戻っていました。
物語の結末がよくわからなかった
最初は母親の死の真相を確かめるためにというホラーゲームあるあるの動機から始まったはずなのに、いつのまにか都市伝説が絡んできて、その後チェーンソー野郎が出てきてという感じで、『結局何だったの?』感が否めません。
僕が把握できた事実だけまとめると下記のようになります。(これも字幕の解釈違いならごめんなさい)
- 母親は精神病を患っており、服薬していた。遺産相続の手紙があったため、夫もしくは近親者の相続人になっていた。
- 母親がポンベロ伝説に関わっていた。もしくはポンベロに犯されて生まれたの主人公?
- 戦争中に何かしらの人体実験をやっていて、主人公の祖母が関わっていた。その研究施設として祖母の屋敷が使われていた。主人公も幼い時に何度か祖母の屋敷を訪れていた。
- 最終的には主人公はポンベロに助けられた。
え?それで?という終わり方で僕にはよくわかりませんでした。
まとめ
ということで、今回はPOMBERO:The lord of the nightの初見プレイのレビューを紹介しました。正直辛口な酷評になりましたが、好みは分かれる作品なのかなと思います。
ストーリー解釈が難しいことと、ゲーム性が行ったり来たりで統一性がないことが1番の要因かと思います。すでにセール対象にもなっているので安くなったタイミングでチャレンジしてみてもいいのかもしれません。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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