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【レビュー】ホラーゲーム『シルバーチェーン』初見プレイしてみた感想と屋敷に隠された秘密を徹底考察して解説してみる

ゲームレビュー

今回は先日クリアしたホラーゲーム『シルバーチェーン』の初見プレイレビューをしてみたいと思います。謎解き要素が多く、独特の世界観と探索要素があるゲームでしたので、おすすめポイントと個人的な物語の考察も解説していこうと思います。

ストーリーのあらすじ

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『Silver Chains』は、2019年に発売されたホラーゲームであり、主人公のピーターが交通事故を起こして、見知らぬ屋敷に歩いて行くところから始まり、ふと気づくと不気味な屋敷のある部屋で目を覚まします。彼は自分がどうしてここにいるのか、何が起こったのかを知るために、探索を始めます。屋敷内には家族の思い出や謎がたくさん隠されており、それらを見つけることで家族の過去や屋敷の謎を解き明かしていきます。

※プレイ画面キャプチャーより引用

一方で、屋敷内には不気味な幻覚や幽霊が現れ、主人公を追いかける怪物も現れます。生き残りをかけて逃げ回る中で、彼は過去の出来事を思い出し、家族や屋敷の秘密が明らかになっていきます。

屋敷内を探索することで、主人公は謎解きやパズルを解く必要があります。その一方で、怪物に襲われるシーンもあり、プレイヤーは常に緊張感を持ってゲームを進める必要があります。

『Silver Chains』は、他のホラーゲームと比較して、ヨーロッパのゴシックホラー小説にインスパイアされた世界観や、リアルなグラフィック、精巧な音響効果が特徴的です。また、ゲームの雰囲気やストーリー展開は、プレイヤーを恐怖に陥れるために緻密に設計されており、高い評価を得ています。

ゴシックホラー小説は、18世紀末から19世紀初頭にかけて、イギリスで興隆した文学ジャンルです。このジャンルは、中世のゴシック建築のような、不気味な舞台設定や恐怖を煽るストーリーテリングに焦点を当てています。 ゴシックホラー小説は、多くの場合、不気味でダークな雰囲気、不吉な予感、怪物や幽霊などの超自然的な要素、そして緻密な描写や情景描写が特徴的です。

このジャンルの誕生は、1764年にホラス・ウォルポールによる”The Castle of Otranto”という小説に端を発します。この小説は、中世イタリアの城の中で起こる恐怖を描いた物語であり、不気味で妖しい雰囲気を持っています。この作品が出版された後、多くの作家たちが同様の要素を持った作品を書き始め、ゴシックホラー小説が広く読まれるようになりました。

ゴシックホラー小説の代表的な作品には、メアリー・シェリーの”Frankenstein”、ブラム・ストーカーの”Dracula”、そしてエドガー・アラン・ポーの”The Fall of the House of Usher”などがあります。これらの作品は、不気味で恐怖心を煽るストーリーテリングに加え、哲学的なテーマや社会的な問題を探求する要素も含まれています。

ゴシックホラー小説は、19世紀中頃まで人気を博しましたが、その後は衰退しました。しかし、現代においてもこのジャンルは、文学や映画などで広く愛されており、ゴシック様式の建築やアート、そして19世紀のヨーロッパの文化や社会的な問題に対する興味を引き続き喚起しています。

日記から考察する屋敷で起きた事実

過去に起きたことが影響して奇怪な体験をするというのがこのゲームの作りになっていますが、物語を読み解くために重要な日記を時系列で並べてみました。

※プレイ画面キャプチャーより引用

1900年8月17日
「一昨日ハロルドが長旅から帰ってきた。子供たちは喜び、彼からたくさん話を聞いた。子供たちはおもちゃと人形(ハロルドのお土産)をもらってはしゃいでいたわ。ハロルドは長旅の後で体調が優れないみたい」

1900年8月21日
「愛するハロルドが昨日この世を去った」

1900年8月27日
「ハロルドなくなって1週間。彼は旅から帰ってきて変わってしまった。私は助けてあげられたかもしれないという罪の意識。そのことばかり考えている。家政婦は私を心配し医師に連絡。薬を処方された。疑心暗鬼(愛する人を亡くした私がこんなもので治るはずがない)。医師は彼の友人を子供たちの世話係として紹介。それには同意、子どもたちも含め私は避けるように一人で閉じこもっていたから」

1900年9月4日
「ティミーはお父さんはどこに行ったのかといつも泣いていた。エリーは誰とも話さなくなった。子供たちの世話係の息子ピーターは子供たちと遊ぼうとするが彼らはまったく関わろうとしない。そして昨日タムシンが……」

1900年9月5日
「家政婦たちが私の叫び声を聞きモーガン先生に連絡した。(私に知らせずに!)私は確かに恐ろしい声を聞いたの。彼は(モーガン先生)薬の副作用だと思っている。私が薬を濫用したため幻覚の原因。モーガン先生は新しい子供の世話係に私が薬を正しく飲むように言っていた。もしかしたら本当に幻覚かも」

1990年9月9日
「薬のせいで昼夜逆転。夜に木製の何かが動く音とクスクス笑い声を聞く。子供たちがふざけているのかと思い様子を見に行くと子供たちはベッドで寝ていた。2階の廊下で子供たちの世話係タムシンと会った。幽霊をみたかのように隣の部屋に私を引っ張り込みこの部屋から出てはいけないと薬を渡す。その薬を投げる、なぜ子供たちと会ってはいけないのか!どうして部屋に1日いなければならないのか。世話係のタムシンではなく子供たちには母親が必要。こんな夜中にタムシンは何をしていた?気を付ける必要がある」

1900年9月14日
「この家で何が起きているのか理解できない。誰も信じることができない。子供たちの部屋に入った瞬間、狩りに出かけて帰ってきたハロルドと同じ臭いにきづいた。ベッドの下に首を斬られた動物の死体を見つけた。すごい量の血。私は子供たちを私の部屋に連れてきて片づけをするよう使用人たちに指示。誰かが私が気が狂うように仕向けて子供たちを私から引き離そうとしているんだわ」

1900年9月15日
「昨日の夜子供たちは熱を出して震えていた。救急箱を取りにタムシンの部屋に行くと彼女は部屋の真ん中でぞっとするような人形の前に座っていた。記号と円、動物の死体が転がっていた。彼女は魔女だったのよ!その後気を失った。覚えているのは彼女を一番奥の部屋まで引きずっていってカギをかけて閉じ込めたということ。その後子供たちの体調が良くなった。人形はチェストの中に隠し、誰もみつけられないようにした。魔女は明日の朝どうにかしないといけない」

1900年9月16日
「私の耳に誰かが囁いているので目が覚めた。目を開けると顔のない人形が椅子に座っていた。すごく怖かった。私がその人形に近づくと逃げた。私は暖炉にあった斧をもって追いかけたわ。子供たちの部屋に隠れようとした。私は斧を振りかざした。すると誰かの甲高い声が聞こえた。みると人形が後ろで私を笑っていた。私は素早く捕まえて逃げないように斧を振りかざし続けた。あれは何だったの?ハロルドはこの人形をどこで手に入れたのかしら?これがは幻覚や薬の副作用ではない。現実に起きていること」

1900年9月17日
「昨日のおぞましい出来事ののち悪夢で目が覚めた。子供たちの様子を見に行った。タムシンが子供たちの部屋の中で何か呟いていた。彼女の足元に血まみれになった子供たちが横たわっていた。タムシンは私が部屋に入ってきたことに気づき襲ってきた。お前のせいだ!と。家政婦たちが叫びを聞きタムシンを私から引き離す。彼女は私に対する怒りと憎悪で歪んでいた。彼女は私が子供たちを殺したと言い続けていた。彼女は私の子供を殺したので私は彼女を殺す。私たち(家政婦たちを含め)は彼女を裏庭に吊るしたが家政婦の一人(メレディス)が私を裏切り彼女の子供を逃がした。ハロルド、エリー、ティミーこの苦しみとどう向き合ったらいいかわからない」

1900年10月31日
「家政婦は全員、命の危険を感じて去ってしまった。彼らの話すことがずっと聞こえてきて、私は眠ることすらできない。悪魔のクスクスという笑い声頭がおかしくなりそう。すべてから逃れる方法は1つしかないことはわかってる」

  • 日記は母親(ハロルドの妻)目線で書かれている
  • ハロルドは旅から帰ってくると亡くなってしまった
  • ハロルドがなくなってから家族の様子が一変した
  • 医師の友人である『タムシン』を子供の世話係として紹介された
  • 母親が幻覚(もしくは薬の副作用?)を見始める
  • 母親はタムシンに対して猜疑心を抱くようになる
  • ハロルドの土産である人形が一連の事件に関わっている?
  • ある日、母親は人形を襲ったがその後子供たちが死んでいることを認識する
  • 子供たちの死はタムシンの責任であるとして母親はタムシンを殺す
  • タムシンの子供である主人公は家政婦の手によって逃がされた
※プレイ画面キャプチャーより引用

明確な物語の結末が描かれていないので、あくまで推察になりますが、断片的な出来事からいくつかの仮説を元に考察してみます。

物語の考察

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ハロルドの死による精神異常説

まず初めに、一番穏やか?なパターンを考察してみます。屋敷の主人であるハロルドが旅から帰ってくると、1週間ほどでなくなってしまいます。その後、母親は幻覚に悩まされ、子供たちは塞ぎ込んでしまいます。

その様子に医師から生活のサポートのためタムシンを紹介されますが、精神異常によって錯乱状態となった母親が不慮の事故で子供達を手にかけてしまいます。その出来事を厳格の影響もありタムシンの仕業であると認識した母親が報復としてタムシンを殺害してしまいました。

屋敷の家政婦たちは身の危険を感じ逃げるとともに、タムシンの子供である主人公のピーターを逃します。

と言うのが悲しい話ではあるもののストーリーとしては一番平穏なパターンなのかなと思います。しかしながら、エンディングで化け物を魔法陣で退治して自害してしまうという結末が矛盾します。

ハロルドの土産人形の呪い説

次に、ハロルドが持ち帰った土産人形が呪いの人形だった説です。

ハロルドは旅の途中で手にした人形を土産として持ち帰りますが、何らかの理由でこの人形には呪いが込められていました。

※プレイ画面キャプチャーより引用

その呪いの影響で母親は精神異常となり子供たちは変わってしまい、最終的には悲劇的な最後を迎えてしまいました。悲惨な事件の唯一の生き残りであるピーターがこの呪いを解いて家族の魂を解放すると言うのが一番しっくりきそうな気がします。

ただ、何故誰がなんの目的で呪いをかけたのか、どうしてこの家族が呪われる必要があったのかなどは語られておらず、タムシンは被害者という形となります。それにしてはタムシンのストーリーの関与度が高く、もう少し何らかの因果関係が語られてもいい気がします。

タムシンの屋敷乗っ取り説

最後に、タムシンが実は悪の黒幕説です。ハロルドの死によって変貌してしまった家族を支えるためにやってきたタムシンですが、屋敷を乗っ取る目的で黒魔術的な儀式を行っていたとします。

その一つとして、魔法陣による呪いを施し生贄として子供達を殺したと言う説です。しかし、子供達を殺されたことの報復として母親にタムシンが殺されたことで、呪いは継続し続け、母親を化け物へと変えてしまったという説です。

この場合も呪いを解いて家族を解放するために主人公のピーターは自分の命と引き換えに呪いから家族を解放すると言う物語と解釈できます。

結局のところどういう話なのか

色々と解釈ができる作りになっていますが、個人的にはそこはプレイヤーの解釈に委ねられているのかなと思いました。僕が本来のゲームの核心に迫れていない可能性もあるので、間違っていたら申し訳ありませんが、僕としては、人形の呪い→家族崩壊→タムシン呪い解こうと頑張る→母親化け物化→ピーター命懸けの探索→真相が明らかになる→ピーター犠牲になると言うのが一番しっくりくるかなと思います。

ホラーゲームとしての本作

ここからはゲームとしての評価をいくつか解説します。

※プレイ画面キャプチャーより引用

ホラーゲームとして本作を見た時には、ホラーゲーム好きとしては満足できる作品だと思います。特に、グラフィックや音響が素晴らしくFPSであるという観点からも没入感が高く、主人公の息遣いやその場その場の空気感が伝わるような仕上がりになっていると思います。

また、舞台となる屋敷は非常に大きく立派ではありますが、所々家の作りがおかしかったり、不気味な人形があったり、急にうす暗い部屋があったりと、ホラー好きにはたまらないフィールドとなっており、広い屋敷を探索する上での恐怖という点では高得点なのではないかなと思います。

とはいえ、恐怖演出系は控えめな印象

全体的な雰囲気や質感という点では高い評価を得ている今作ですが、恐怖演出という観点ではそれほど強烈な演出はありません。数回ジャンプスケア的な演出がありますが、頻繁に出てくるわけではないので、強烈な演出が好きな方にとっては少し退屈に感じるかもしれません。

本作はどちらかというと屋敷の雰囲気や本編に至るまでの背景などが奇妙で不可思議であり、ゲームを進めていくうえで、『なぜ?』が常に付きまとうパターンのホラーゲームという風に感じます。

ゲーム中に出現する敵に関しても大きく3つで、母親の亡霊、呪いの人形、そして最後に登場する悪霊です。それぞれ一定の手順で進めていくことができるので、大きく苦戦するような場面は少ないのではないかなと思います。

探索、謎解き難易度は高めの印象

ホラー要素という観点では控えめな本作ですが、探索要素や謎解き要素という観点では結構難しい部類に入ると思います。

※プレイ画面キャプチャーより引用

まず謎解き自体が難しいものが多く、やりがいがあるということと、ヒントが途中で出現しますが、屋敷が広く迷いやすい作りになっているので、余計に謎解き難易度が増しているように感じました。

ただ、重要アイテムとして出現する『単眼鏡』が非常に有効に働き、このゲームの特徴ともいえる役割を果たしています。単眼鏡は見えないものが見えるようになるメガネのようなもので、隠されているヒントや道しるべをプレイヤーに教えてくれます。

終盤では最後のアイテムを収集するためには絶対的に単眼鏡を使うことになる場面等も存在し、ゲーム中盤から終盤にかけて探索の必須アイテムとなります。

このような観点から、独特のゲーム性を作り出しているということと、全体的な謎解きの難易度は比較的高めであると感じました。

イマイチだと思ったポイント

個人的には好きな部類のホラーゲームではあったのですが、上記の考察に挙げた通り、明確な物語の結末が語られることなくゲームはエンディングを迎えます。この点だけが個人的には非常にモヤっとポイントでした。

ゲームを通して過去に起きた出来事を手紙や記録から読み解いていくスタイルの回想系探索ホラーだと思うのですが、結局その探索の結果自分が想定していたストーリーが正しいのかどうかという点がハッキリしないままエンドロールを迎えます。

僕としては、自分の想定と違っていても『○○ということでした。めでたしめでたし。』で終ってほしい派なんですよね・・・w

故に、プレイヤーの解釈に任せるというタイプのゲームと感じたのとストーリー自体が難解だったという点から唯一イマイチポイントかなと思います。

まとめ

ということで、今回はシルバーチェーンの初見プレイレビューをしてみましたがいかがだったでしょうか。過去に起きた事件に関連している主人公が自分の人生に隠された真実を解き明かしていくタイプの物語なのかなと思います。最後の最後には屋敷の呪いを解くために自ら犠牲になるという描写はちょっと悲しい気もしましたが、それが主人公の選んだ選択だと思うと少し切ないですね。

ビジュアル面や音響という観点では非常にリアルで、その世界観に入り込んでプレイできる素晴らしいゲームだと思いますので、ぜひ皆さんも一度プレイされてみてはいかがでしょうか?

ただし、何があっても振り向いてはいけませんよ・・・

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