バイオハザードの魅力と言われたらあなたは何と答えますか?
いい大人になって僕がゲームにハマった理由として『バイオハザードRE:3』であるということをこのブログ開設の最初の記事として書きました。
今回は、説明するまでもない超人気タイトルのバイオハザードについて、僕が何故好きなのかという理由について、これからバイオハザードをプレイしたいという人、どんなところが人気なのかという人に向けて紹介したいと思います。
ストーリーが複雑且つ奥深い
まず僕が『何故バイオハザードが好きなのか』という質問をされた時に一番に答えるであろう理由が『ストーリーの奥深さ』です。すでにたくさんのメディアで紹介されていますが、そもそもバイオハザードの始まりは『洋館事件』という話から始まります。
最初の発端『洋館事件』
『クリス・レッドフィールド』『ジル・バレンタイン』『アルバート・ウェスカー』を中心とした通称『S.T.R.A.S.』という特殊部隊がアークレイの山奥で起きた事件の捜査に向かうところから始まります。この洋館というのは、のちに明らかになるバイオハザードの一連の事件の元凶である『アンブレラ』の創設者であり事実上のトップである『オズウェル・E・スペンサー』の邸宅でした。その地下では生物兵器の研究がされており、あることがきっかけでその生物兵器の元になるウィルスが漏洩、周辺の森や近隣の街に広まってしまったことで、不可解な事件が多発しているという状況でした。
一応今回はこれからプレイする人向けという体裁なのでネタバレにならない程度にとどめますが、この洋館事件をメインとした真相究明が『バイオハザード』の最初のお話となります。
スペンサーが洋館を作った理由
では、なぜスペンサーがこの洋館の地下で生物兵器開発をしていたのかというと、彼が研究者として日々過ごしている中で、ある書物の中に遺伝子の組み替えができるという植物の『始祖花』という植物があり、その植物を採取したところ『始祖ウィルス』の発見に成功します。スペンサーはこのウィルスを使って人類を優秀なものだけを残し、自分がその世界を支配する立場になろうと企んでいました。
バイオハザードシリーズでは長らくこのスペンサーの研究がそもそもの根源とされてきたのですが、実は直近の最新ナンバリングタイトルである『バイオハザード ヴィレッジ』の中で、若き日のスペンサーに始祖花に関わる情報を教えたのが、ヴィレッジでラスボスとなる『ミランダ』だったということが語られます。
ミランダが菌根を研究した理由は『愛』
ヴィレッジで語られる内容は、ミランダがスペイン風邪で自身の娘を亡くして、娘の記憶を宿した『菌根』を適合する人間に移植することで娘を蘇らせようと研究していたらしいのです。
その最中、スペンサーは遭難しているところをミランダに助けられ、始祖花についての話を聞きますが、ミランダの『娘を蘇らせるため』という目的は自分には合わなかったため、ミランダとは違う方向性で始祖花の研究を始めることとなります。
どの辺まで初代バイオ製作段階で決まっていたのかわかりませんが、僕はこの設定を知った時にちょっと震えました。そもそも、時系列的にミランダの存在がスペンサーを狂気に走らせてしまったとしたら、ミランダに合わなければアンブレラ自体も存在しなかったかもしれません。
また、ミランダが菌根の研究をしたのもスペイン風邪が原因で娘を亡くしてしまったことから始まっているので、『そもそもスペイン風邪が流行していなかったら』『娘が助かっていたら』と想像せずにはいられません。また、一番僕が感慨深い部分としては、ミランダはただ単純に『娘を思う母親』として菌根の研究に着手しました。もちろん、その後の適合者を探す過程や作中で描かれる描写を見るとちょっと頭おかしいなと思う部分はありますが、一番の原点は『娘を思う母親の愛』が原点だったと考えると、胸が熱くなります。
ただびっくりさせるだけじゃない『サバイバルホラー』
僕はRE:3→RE:2→バイオハザード1→バイオハザード0→バイオハザード7→ヴィレッジの順番でプレイしました。RE:シリーズや7以降はグラフィックもUIも非常に綺麗になっていますが、バイオハザード1や0についてはリマスター版であってもいわゆる『ラジコン操作』でのプレイであり、アイテムの所有できる数も限られているので、ゲーム自体の難易度は比較的高いと感じました。
しかし、バイオハザード1や0のストーリーの醍醐味は、発売当初のキャッチコピーである『そこを歩くという恐怖』が見事に表現されていて、まさにサバイバルホラーの真髄と言えるでしょう。
曲がり角の先に突然ゾンビが現れたり、窓を突き破って犬が飛び込んできたり、死角からハンターが襲いかかってきたりなど、プレイヤーにとっては非常にゲームを進めにくい演出が多いです。また、そのような経験が重なっていくと、『この先にもしかして・・・』という想像がよりゲームのホラー感を演出しており、『そこを歩くという恐怖』を十二分に表現しているのではないかなと思います。
また、初代から暫くは『ドアを開く演出』や『階段を上り下りする演出』が効果的に使われていると思います。本来はこの演出の裏でゲームをロードするという技術的な理由でこの演出が加えられたそうですが、マップから離れて一度この演出を入れることで、その先に何が待っているのかという不安感を煽ることとなり、ゲームの世界観をより引き立たせているのではないかなと思います。
最近はグラフィック表現がフィーチャーされてREエンジンを使った作品が取り上げられることが多いですが、僕はバイオをこれからプレイする方にはぜひ『バイオハザード1、バイオハザード0』で体験することができる『そこを歩くという恐怖』を体感してほしいなと思います。
大ヒット作となったバイオ7の哀しい側面
アクション寄りになったことで一部のファンから不評だったバイオ4〜6のナンバリングタイトルですが、バイオハザード7の発売で大きくその評価を上げることができました。その理由は、『サバイバルホラー』としての本来の恐怖を十分に表現していることが大きな要因だと言われています。
そんなバイオハザード7ですが、個人的には下記の点をぜひ注目していただきたいなと思います。
優しきベイカー家の悲劇
主人公であるイーサンが訪れるベイカー家ですが、そもそもベイカー家の人々は静かな田舎暮らしを営んでいた普通の家族でした。ある日近くの沼で発見したミアとエヴリンを連れ帰って自宅で介抱したことからベイカー家の悲劇が始まります。
エヴリンが特異菌による生物兵器であるとは知らずに優しく世話をしていたベイカー家ですが、エヴリンの特異菌に感染したことで、その生活は一変してしまうことになります。腕を切っても元通りになり、虫が蠢く食事を摂り、お互いに歪みあって、奇妙な生物と共存していくなど、それまでは考えられないような狂気の一家に変貌してしまいます。
ただ優しかったから、ただ思いやりで介抱したから、どこにでもあるような普通の家族が特異菌によって支配されて、最終的には残酷な殺人を行うような人々になってしまったのです。
エヴリンの本音(ちょっとネタバレあり)
バイオ7の一連の出来事は、エヴリンの特異菌によって支配されたベイカー家にて起きています。しかしながら、僕はエヴリンに対しても悲哀を感じる部分があるなと思うわけです。
それは、そもそもエヴリンは特異菌を人間の胚に移植して人工的に作られた生物兵器という設定ですが、エヴリン自身は女の子としての意識があり、『家族が欲しい』『母親になってほしい』と付き添いだったミアに対して思いを寄せていました。
ストーリー中では自分の思い通りにならない現状に様々な事象を引き起こしていくのですが、最終のエヴリン戦でイーサンからネクロトキシンを撃たれて老婆の姿になった時に『どうしてみんな私を嫌うの』と言います。僕はこれがとても胸に響きました。
生物兵器として作り出されたエヴリンではありますが、彼女自身は自分が生物兵器であるが故、周りの人間が自分を避けていることを感じでいたのでしょう。家族というものを知らずに育った少女の本当の気持ちが最後のセリフに込められているのではないかなと思います。
一般人初の主人公となったイーサンの悲哀(ちょっとネタバレあり)
バイオハザード7でシリーズ初めて一般人で主人公となったイーサン・ウィンターズですが、3年前に失踪していた妻ミア・ウィンターズからのビデオメッセージをもとにベイカー家を訪れます。失踪していた妻が生きているんだということがわかれば、探しにいくのは夫の行動としては至極当然ですよね。しかし、イーサンはこの妻探しの旅によって特異菌に感染、その後命を落とすこととなってしまいます。
ヴィレッジで描かれることとなりますが、イーサンはベイカー家に到着してジャックに襲われた割と序盤で実は死んでいます。ただ、その際に特異菌に感染し適合したため、再度再生したという設定になっています。本来の人間としてのイーサンを考えると、実は妻を助け出す前に死んでしまったということとなります。
特異菌の作用で再生したイーサンはその後ベイカー家を脱出し、娘を奪われてバイオハザード ヴィレッジにてミランダを倒しますが、その直後自分の体が朽ち果てていくことからクリスに娘のローズを託して菌根と共にこの世を去ります。
愛する人を助けたいという気持ち、愛する娘を守りたいという気持ちだけで奔走したイーサンですが、その代償はあまりにも大きく、彼自身が命を落とすこととなってしまったことを考えると、ちょっと主人公としては可哀想な役回りだなと思わざるを得ません。
一度で何度も美味しいRE:2
REエンジンによるフルリメイクで話題となりました『バイオハザードRE:2』ですが、シリーズの中でも屈指の『お得な内容』になっていると思います。
まずRE:2の主人公はラクーンシティ警察の新米『レオン』と、消息不明の兄を探している『クレア』の2人です。二人はロードサイドのガソリンスタンドで偶然出会いゾンビの大群に囲まれる中なんとかパトカーで街へ出ました。しかし、感染してハンドル操作を失ったトラックに追突されて社外へ放り出され、燃え上がる炎によって分断されてしまいます。
二人はとりあえず警察署を目指そうとバラバラに行動していくのですが、警察署の正面から入るストーリーと、裏口から入るストーリーがそれぞれに用意されていて、2人×2パターンで合計4つのシナリオをプレイすることができるようになっています。
また、それぞれのシナリオで集めるべきアイテムが違ったり、ダンジョンの攻略ルートが違ったりと、似ているようで微妙に違う設定となっているため、やり込み要素の観点でもストーリー深掘りの観点でも非常にコスパの良いナンバリングタイトルになっていると思います。
ちなみに、洋館事件で紹介したアンブレラですが、このラクーンシティ警察署についても実質アンブレラの持ち物となっていたり、地下下水道を通って研究所につながっていたりと、前作とのつながりを垣間見ることができる作品としても非常に興味深い内容となっています。時系列では、RE:2がの次にRE:3があり、バイオハザードが蔓延したラクーンシティをミサイル攻撃によって消滅させるというのがメインストーリーとなっており、バイオ1でも登場したジル・バレンタインが主人公となっている作品です。こちらも合わせてプレイすると、さらに深く物語を理解することができると思います。
本編をクリアした後にも楽しめるDLCが作り込まれている
これまでストーリーやキャラクターなど世界観についてご紹介しましたが、ゲームとしての魅力もバイオハザードにはたくさんあります。中でも長くプレイされている理由として、DLCが豊富で且つ内容が作り込まれているという点にあると思います。
多くのナンバリングタイトルに追加DLCがあり、ミニゲームのようなコンテンツが豊富であることもバイオハザードシリーズの魅力です。また、『とりあえず作った』というような内容ではなく、物語の世界観を壊すことなくさらに深掘りするような追体験を提供しているという点もバイオハザードDLCの魅力でしょう。
実際に、いくつかのDLCではそれ単体でYouTubeライブを行う方もいらっしゃったり、攻略法をまとめたサイトが存在しているほどです。このように、バイオハザードシリーズについては本編をクリアした後にも楽しめる要素が多いということが、プレイヤーを飽きさせない魅力になっているのではないかなと思います。
唯一無二のオリジナリティ
最後に、バイオシリーズの真骨頂であり他のゲームとの差別化要素になっているのが、そのオリジナリティではないかなと思います。ゲームに限らず歌謡曲などでもそうですが、『〇〇っぽい』とか『〇〇に似ている』という表現をすることはあると思います。
しかしながら、『バイオハザードっぽいゲーム』というのは聞いたことはありますが、バイオハザードが何かのゲームの模倣であるというような口コミなどは聞いたことがありません。これは確固たる地位を築き、そのオリジナリティを守ってきたタイトルだからこそなのかもしれません。
様々なジャンルのゲームが発売される中で、シリーズの持つ雰囲気や特色を常に維持し続けていることが長くファンに支持されている理由の一つと言えるのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。私自身がプレイしたタイトルが少し偏っているので、魅力としてお伝えできる部分も偏ってはいるのですが、これからバイオハザードをプレイしてみたい、聞いたことはあるけどやったことがないという入門編の方には強くお勧めできる部分かなと思います。最新作『バイオハザードRE:4』の発売が3月24日に迫っていますが、RE:4に興味を持っている方も発売前にナンバリングタイトルのアーカイブをプレイしてみてはいかがでしょうか。
機会があれば『バイオ4〜6』をプレイしていない理由についてもどこかで紹介できたらいいなと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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