伊達きよ先生が語る創作の裏側と読者への想い

ステージに登壇した伊達先生は、読者の前で話すのはこれが初めてだったそうです。緊張しつつも、「作品を育ててくださった方と顔を合わせる機会はなかなかないので、嬉しいです」と率直な気持ちを言葉にされました。『ビーボーイ』では2023年から年1冊ペースで出版されており、コミカライズや他レーベルでの出版も重なり、ここ数年忙しい日々が続いていたようです。先生は忙しさを認めながらも、「作品が色々広がっていくのは嬉しい」と喜びを語られました。
異世界ものだけでなく日常系の作品も執筆されている伊達先生に、執筆作業に違いがあるかという質問が投げかけられると、「違いはない」と答えつつも、「ファンタジー小説が好きだったので、異世界ものは熱が入っているかも?」と明かされました。小説家になりたいと思った時期については「明確にはない」そうですが、学生時代に友達とリレー小説を書いていた際に書く楽しさに目覚めたことを懐かしそうに語られました。その時の経験は伊達先生の中でも印象的だったようで、ご自身の好きや萌えを詰め込んで書いていた小説の設定なども披露され、会場には温かな笑みが広がりました。

伊達先生の作品にしばしば登場する獣人の動物の選定については、「可愛いもの」を選んでいるそうです。また、「昔飼っていた犬や猫の観察日記をつけていた」ことが、『わんと鳴いたらキスして撫でて』の元になっているかもしれないと自己分析されました。過去のリレー小説や観察日記の経験から、伊達先生は元々文章を書くことが好きだったことがうかがえます。そんな先生が読者に伝えたいことは「楽しんでいただくことが一番」であり、先生自身の“好き”を詰め込んだ作品から、「その“好き”に共感したり、新しく発見してもらえると嬉しい」と語られました。
待望の次回作情報と声優・児玉卓也さんによるミニ朗読会
伊達先生の次回作について質問が及ぶと、担当編集者に確認の上、情報が少しだけ披露されました。話しているうちに多くの情報が飛び出し、「1/3くらい話したかも……」と苦笑いされる場面もありました。かなり面白い設定やストーリー展開であることがうかがえ、客席も熱心に聞き入っていたようです。気になる内容ですが、現代ものであること、契約結婚をしたカップルの話であることだけが明かされました。

続いてスペシャルゲストとして、『THE IDOLM@STER SideMシリーズ』で卯月巻緒役や、テレビアニメ『凸凹世界(おうとつせかい)』でシドウゲン役を務める声優の児玉卓也さんが登場しました。児玉さんの協力により、『わんと鳴いたらキスして撫でて』の小説をベースとしたミニ朗読会が行われました。
児玉さんは、第1話4章の碧がハヤテの家を再び訪れるシーンを朗読されました。犬化症候群でポメラニアンに変身する碧は可愛らしく、今をときめくアイドルグループのクールなメンバー・ハヤテは低めの声で格好良く演じ分けられました。小説がベースになっているため、この2人のほかに地の文、さらにポメ状態の碧の鳴き声まであり、児玉さんは見事に4役をこなされました。地の文があることでこのシーンの情景が鮮やかに浮かび上がり、2人の内面までも丁寧に伝わってきました。

この難しい朗読を児玉さんが見事にやり遂げると、会場からは大きな拍手が起こりました。伊達先生も「素晴らしい……」と感動のあまり言葉が出てこない様子でした。功労者の児玉さんは「手汗びっしょり!」としながらも、「すごく楽しかったです!」と笑顔で締めくくられました。
コミカライズ版『わんと鳴いたらキスして撫でて』とイベントの締めくくり

今回朗読が披露された『わんと鳴いたらキスして撫でて』については、黄助先生によるコミカライズ版も発売中であると告知されました。伊達先生はこの日会場に黄助先生からもらったポメラニアンのマスコットを持参されており、最後に思いがけない交流が明かされ、会場は温かい空気に包まれながら本ステージは幕を閉じました。
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