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【レビュー】アクションホラーの名作『クロックタワー』を初見プレイした感想を正直レビュー 謎めいた物語の背景も考察

クロックタワー初見プレイ ゲームレビュー

今回は、以前視聴者さんのオススメでプレイした『クロックタワー』についてレビューします。以前このブログでも解説した『Dの食卓』や『クロノトリガー』と同様に非常に古いゲームでありながら、今もなお多くの支持を集めているゲームです。

そんなクロックタワーを初見プレイ目線で詳しく解説していきたいと思いますので、未プレイの方はもちろん、すでにプレイ済みの方もご自身の感想と比較しながらご覧ください。

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クロックタワーの概要

※プレイ画面キャプチャーより引用

クロックタワーは1995年にスーパーファミコン向けに発売されたホラーアクションアドベンチャーゲームです。孤児院で育った少女たちが、ある日山奥の屋敷に連れられて、正体不明の怪人に追いかけられながら屋敷内を探索していくというストーリーです。

多くのゲーム雑誌で高い評価を受けて、人気ゲーム雑誌『ファミ通』のクロスレビューではシルバー殿堂を獲得している大人気ゲームです。

2024年10月31日には、機能拡充されたリバイバル版『クロックタワー・リワインド』がたくさんのプラットフォームで発売となりました。僕も初見プレイの際にはこれをプレイしました。

現在プレイできるのは厳密に言うとこちらの『クロックタワー・リワインド』がメインかと思われますが、原作と比較すると多くの点で修正や追加が加えられており、いつ襲ってくるか分からない恐怖感や緊張感、物語のドラマ性をさらに引き立てるような作りになっています。

初見プレイ時には分からないこともありましたので、ネットの情報を参考に自分なりに調べました。

オリジナル版の恐怖体験の忠実な再現

『クロックタワー・リワインド』は、原作の持つ「逃げるしかない」というサバイバルホラーの根源的な恐怖を色濃く残す仕上がりになっています。ゲームはポイントクリック式のアドベンチャーゲームで、マルチエンディング方式であり、リプレイ性を高めるランダム要素も存在します。

※プレイ画面キャプチャーより引用
    • シザーマンの存在感: 巨大なハサミを振り回す殺人鬼シザーマンから、非力な14歳の少女ジェニファーを操作して逃亡するという基本構造はそのままです。シザーマンが発する「シャキーン、シャキーン」という不気味なハサミの音や、登場時に鳴る恐怖感を際立たせる迫力のBGMは、トラウマ級の怖さを鮮烈に蘇らせます。
    • 逃走と緊張感: 主人公ジェニファーには戦う術がほとんどなく、シザーマンが出現したら、隠れてやり過ごすか、身近な物を駆使して撃退するしかありません。隠れていても一定確率で見つかってしまうため、常に「見つかってしまうのではないか」という緊張感がつきまといます。
    • 恐怖の演出: 雰囲気満点の2Dアートと、シザーマンが天井から飛び降りてきたり、バスタブの中から飛び出してきたりする神出鬼没な演出が健在です。細やかなドット絵のアクションや、無音と足音で表現された空間は、現在プレイしても恐怖感があります。シザーマン以外にも、殺人オウムに突き殺されたり、鏡から伸びる手に絞め殺されたりといった即死トラップも多数存在するため、油断できません。
    • 回避システム: シザーマンの攻撃や即死トラップを回避するためには、体力が残っている状態でボタン連打を要求される「RSIシステム」が健在です。これは「Renda Sezuniha Irarenai(連打せずにはいられない)」の頭文字を取ったシステムです。
    • 忠実な移植: ゲーム開始時に、初代『クロックタワー』(SFC版)を完全に移植した「オリジナルモード」を選択できるため、当時の雰囲気をそのまま味わうことが可能です。

    現代的な進化と遊びやすさの改善(新規要素)

    復刻版『リワインド』には、オリジナルの恐怖体験を損なわない範囲で、現代のプレイヤーが遊びやすいように複数の新規要素や改善が加えられています。

    • 操作性の改善: 全体的に操作性が向上しており、カーソルが原作よりも動かしやすいと感じるプレイヤーもいます。PC版ではマウス操作にも対応しています。
    • 任意セーブ(手動セーブ)機能: 原作は部屋に入るたびにオートセーブされる硬派な仕様でしたが、『リワインド』ではオートセーブはそのままに、手動セーブ(任意セーブ)に対応しました。任意セーブは、その状況そのものをセーブする、いわゆるステートセーブに近い機能です。
    • 巻き戻し機能: ゲームプレイの時間を一定時間まで巻き戻せる「リワインド」機能が搭載されました。これにより、細かいミスでの時間ロスやパニックシーンでのボタン連打失敗などを取り返しやすくなり、クリアがわずかに容易になっています。
    • グラフィック表示の調整: ゲーム画面は、アスペクト比を無視した16:9のもの、解像度を極力落とさない表示、4:3のフルサイズなど、さまざまな表示に調整可能です。また、画面にブラウン管のようなフィルターをかける機能もあります。
    • 新規アニメーションの追加: WayForwardによって制作されたアニメ調の新規導入ムービー(オープニング映像)が採用されました。
    • 新規テーマソング: オープニングとエンディングに、Mary McGlynn氏によるボーカルテーマソングが追加されています。
    • モーションコミックの収録: 当時の冊子などをもとに製作されたモーションコミックが、ゲームの進行に応じて解放される要素として収録されています。
    • 豊富なギャラリー機能: 当時のパッケージやマニュアル(SFC版とPS移植版『The First Fear』のもの)などの貴重なアートギャラリーが収録されています。
    • 音楽プレイヤー: 特徴的なBGMや効果音を追体験できる音楽プレイヤーが搭載されています。
    • クリエイターインタビュー: 当時ディレクターを務めた河野一二三氏へのインタビュー映像が、項目ごとに再生できる形で収録されています。
    • デモゲーム版の収録: 販売促進用のデモゲーム版も収録されています。

    「リワインドモード」によるゲームプレイの進化

    『クロックタワー・リワインド』のもう一つの柱である「リワインドモード」は、SFC版をベースとしつつ、後に発売されたPlayStation版『クロックタワー ~ザ・ファースト・フィアー~』の遊びやすくなった要素や追加・変更点を“逆移植”することで、体験を深化させています。

    • RSIシステム(体力回復)の調整: ジェニファーの体力回復の手段である「床に座る」行為について、SFC版では時間経過を待つシステムだったのに対し、PS版と同様にボタン操作ですぐに座れるようになり、回復速度も早くなりました。
    • シーンの追加・変更:
      ◦ 序盤に遭遇する「オウム」の一枚絵がPS版のグラフィックで表示されます。
      ◦ 探索の途中で遭遇する「ミイラ」が、原作では単なる静的なオブジェクトだったところ、リワインド版では襲ってくるように変更されています。
      このように、『クロックタワー・リワインド』は、オリジナルのサバイバルホラーの核を忠実に再現しつつ、現代のプレイヤーにとっての遊びやすさを高める機能や、豊富なボーナスコンテンツを追加することで、伝説的な恐怖体験を令和の時代に蘇らせています。
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    クロックタワーを初見プレイした感想

    さて、クロックタワーの概要がご理解いただけたところで、ここからは初見プレイを通して感じた感想を忖度なくご紹介します。

    ゲームとしてのクロックタワー

    ※プレイ画面キャプチャーより引用

    まずはゲームプレイとして感じた所感です。メイン操作は『ポイントクリック』による操作です。進む方向や調べたい場所をカーソルでクリックすると、キャラクターが行動するというシステムになっています。

    これが初見時だとなかなか難しかったように感じました。クリア後に考えると、何の能力も持たない主人公の戸惑いや恐怖感を演出しているように思えましたが、実際にプレイしている時には多少のイライラ感を覚えました。

    エンディングについてはたくさんのエンディングが用意されており、初見プレイでトゥルーエンドを達成するのはなかなか難しいと思います。そのため、周回プレイでチャレンジしてトゥルーエンドを目指すという楽しみ方もあると思います。

    また、キーアイテムやイベントを通じてストーリーが進行していきますが、一部の要素がランダムになっているようです。これにより周回プレイ時も新鮮な感覚でプレイできる要素になるのかなと思います。

    ホラーとしてのクロックタワー

    ※プレイ画面キャプチャーより引用

    まずメインのホラー要素としては『シザーマン』が目立つ要素かなと思います。序盤から終盤まで執拗に主人公を追いかけてくる存在として強烈な印象を与えてきます。神出鬼没なタイミングで屋敷の探索を妨害するシザーマンの存在は、初見時は本当に厄介な存在でした。

    次に、『この屋敷は何なのか』という点が非常にホラー要素を孕んでいると思います。そもそも養子を迎え入れたいという要望があり、孤児院の先生であるメアリーに連れられて時計塔の屋敷にやってきますが、物語序盤で友人たちが消えてしまいます。屋敷の中を探索していると怪しげな部屋が多く、不気味な動物の死体などがあり、自分が置かれている状況が理解できない場面が続きます。中盤ではこの屋敷が『バロウズ邸』であることが明かされますが、その真相については終盤までわかりません。

    さらに、序盤で豹変するメアリー先生が結構ホラーです。本来であれば自分たちを守ってくれる存在の先生が、危険に陥れてくる存在に変わります。その理由や経緯については終盤で語られることとなります。

    このように、クロックタワーでは突然訪れた『非日常の恐怖』が全体の雰囲気を支配しており、その全貌を解き明かしていくことが物語のメインとなっています。

    物語としてのクロックタワー

    ※プレイ画面キャプチャーより引用

    初見プレイ時には物語の全体像をつかむことは出来ませんでしたが、色々調べて自分なりの解釈を解説します。

    まず、物語の黒幕は孤児院の先生『メアリー・バロウズ』であるということです。ホラーゲームではよくありがちな『一番身近だった人物が黒幕』というパターンです。そして、シザーマンを含むメアリーの双子の子供が居り、その双子を出産するときに立ちあった医師が、ジェニファーの父親だったということが物語の終盤で明かされます。

    また、メアリーの双子は悪魔の子であり、本来なら死んでしまうはずだったものの、時計塔を利用して時を止めることで生きながらえていたという話の様です。

    この辺がよくわからなかったので色々調べてみたところ、下記の様なバックボーンが存在するようです。

    バロウズ家の一代目当主は、戦争から帰って宗教にハマるようになり怪しげな儀式でたくさんの命を奪っていた。そのためにシザーマンの様な異形の子供が生まれるようになり、その異形たちを満足させるために、子供を攫っては殺させていた。

    全体像が分かると『なるほど』となるのですが、正直初見プレイでここまで把握するのはなかなか難しい状況でした。実際にこのゲームをプレイしたのは初見時を含めて2回なので僕の見落としがあるのかもしれませんが、物語の背景までプレイ中に理解できたかというと少し疑問が残ります。

    もう少し序盤からこの辺の片鱗が見え隠れすると、没入感を高めることになったんじゃないかなと思います。

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    総評

    ※プレイ画面キャプチャーより引用

    これまでの所感を踏まえて全体的な感想を解説します。

    全体的な感想としては『もう少し』というのが正直な感想です。実際にプレイしてみると、ゲームシステムやUIなどは古いゲームであることを鑑みて許容できるものの、物語の背景が初見時にはあまり分からなかったため、印象としては『シザーマンから逃げるゲーム』というイメージが強かったです。

    もっと手前の段階で物語の背景が理解できると(もしかしたら僕の見落としの可能性あり)作中で明かされていくトピックスが繋がって、より楽しめたのではないかなと思います。

    というのも、周回プレイが必須のエンディング条件と、ネットのない時代にこれだけの評価を受けたということを考えると、多くの人が魅了された理由がどこかにあるはずだと思います。そう考えると、僕が見つけられていないこのゲームの魅力が隠されているのかなとも思います。

    『ココに着目するともっと面白いよ!』という方は、是非コメントで教えてください。

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    まとめ

    という訳で、『クロックタワー』の初見プレイレビューを解説してみましたがいかがだったでしょうか。30年近くが経った今もなお多くのプレイヤーに支持されている理由が、ほんの少しだけ解明できたでしょうか。

    まだまだ僕のやり込みが足りていないので、時間を作ってプレイしてみたいと思います。最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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